岐阜県は23日、果樹の重要害虫「果樹カメムシ類」の発生が平年より多いとして、県内全域に発生予察注意報を発表した。昨秋に大量発生した個体の一部が冬越しして生き残ったのが要因で、7月下旬にかけて多くの発生が見込まれ、県は飛来を確認したら薬剤を散布するよう呼びかけている。
県病害虫防除所によると、注意が要るのはチャバネアオカメムシ(体長1センチ前後)とツヤアオカメムシ(同1・5センチ前後)で、作物はナシやモモ、カキ、リンゴ、ミカンなど。チャバネは越冬した成虫の数が平年と比べ約1・6倍と多かった。美濃加茂市や高山市の予察灯での誘殺数は今月16~20日に急増した。チャバネの誘殺数の4月以降の累計は美濃加茂市で平年の約7倍、岐阜市で同約4・9倍と多い。一部のナシ園、モモ園では飛来が確認されており、気温上昇に伴い飛来する園が増える可能性が高いという。
果樹カメムシ類は針のような口で果実の汁を吸い、果肉をスポンジ状にするほかナシやモモは凸凹になるなど形が崩れ商品価値を下げる。県は昨年は5月と8月の2回、注意報を発表した。