ASEAN首脳会議の冒頭で握手する参加各国の首相ら=26日、クアラルンプール(共同)

 【クアラルンプール共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)は26日、議長国マレーシアの首都クアラルンプールで首脳会議を開いた。トランプ米政権による高関税や、内戦が続くミャンマー情勢への対応が主要議題。議長声明草案は、米国への名指しを避けつつ「一方的な関税措置の押し付け」に対する「深い懸念」を表明した。

 議長声明草案は、関税の押し付けが「ASEANの経済成長と安定に複雑で多元的な難題を突き付ける」と非難。世界貿易機関(WTO)を軸とする「差別的ではない多国間貿易システム」を重視する姿勢を強調した。

 ASEANは27日には中国、アラブ産油国の湾岸協力会議(GCC)と初の首脳会議を開き、3者間の貿易や投資の促進を協議する。

 ミャンマーを巡っては、3月末の大地震からの復興も含めた人道支援が焦点。マレーシアのアンワル首相が4月にミャンマー軍事政権のミンアウンフライン総司令官と会談するなど、関係改善の兆しもあるが、今回の首脳会議に総司令官は招かれなかった。