石破茂首相は27日、公明党の斉藤鉄夫代表、立憲民主党の野田佳彦代表と国会内で会談し、年金制度改革法案の修正で正式合意した。基礎年金(国民年金)底上げの将来的な実施を付則に明記。実際に底上げを実施するかどうかは2029年に行う年金の「財政検証」の結果を踏まえ判断する。底上げは就職氷河期世代などが低年金に陥るのを防ぐためだ。会社員らが入る厚生年金の積立金を活用するが、兆円単位で必要となる国費の財源確保策は示しておらず、今後の課題となる。
底上げは自民党内の反発を受け、厚生労働省が見送っていた。自公立3党は28日に修正案を国会に共同提出し、同日の衆院厚労委員会で審議が始まる。30日の衆院通過を目指しており、6月22日までの今国会中に成立する見通し。会談で野田氏は、年金制度改革に関する新たな協議体を設置するよう要請した。
石破首相は官邸で記者団に「非常に意義深い。法案審議に引き続き真摯に対応し、早期成立に努力したい」と述べた。斉藤氏は国会内で「国民の将来の安心につながる」と話した。