防衛省統合幕僚監部は9日、中国海軍の初の国産空母「山東」が同日、沖ノ鳥島(東京都)沖の太平洋を航行し、艦載機の発着艦を実施したと発表した。空母「遼寧」も7日以降、南鳥島(同)の南西の海域を航行。2隻が太平洋で同時に活動するのは初めてで、防衛省は遠洋での作戦遂行能力の強化を目指しているとみて、活動域の急拡大に警戒を強めている。
中国には、制海権確立を目的に伊豆諸島や米グアムをつなぐ海上ライン「第2列島線」周辺での活動を強化し、米側をけん制する狙いがあるとみられる。
防衛省によると、山東は7日午後1時ごろ、宮古島(沖縄県)の南東約550キロの海域を、ミサイル駆逐艦など4隻と共に航行。その後、太平洋を東進、9日には沖ノ鳥島北方の排他的経済水域(EEZ)内で戦闘機やヘリコプターを発着させた。海上自衛隊の護衛艦や哨戒機が警戒に当たった。
中国空母を巡っては、遼寧が7〜8日、南鳥島の南西海域を航行。中国空母として初めて第2列島線を越えたことが確認されている。