目の見えにくい人の歩行支援のため、点字ブロックとスマートフォンを活用して音声で案内するシステムが広がりを見せている。点字ブロックにマークを付けて「コード」化し、それをスマホのカメラとアプリで読み取ることで、現在地や周辺情報などを聞くことができる。金沢工業大の開発者は、観光情報も得られるよう改良を進めており「観光客や外国人も、より街歩きを楽しめるようにしたい」と語る。
システムは、金沢工業大の松井くにお教授の研究室と「W&Mシステムズ合同会社」(東京)が共同開発した。
階段や横断歩道の手前といった危険箇所で注意を促す点状のブロックの突起を、黒のシールなどで囲み、その複数の配置パターンに応じた案内メッセージをあらかじめサーバーに設定。ブロックにスマホのカメラを向けてアプリで認識させると、サーバーからメッセージが送られてきて聞ける仕組みだ。
当初は白杖に小型カメラを取り付けて実験したが、歩行のバランスが崩れたり、カメラが外れたりする恐れがあり断念。スマホを使いこなす人が増えていることから、アプリ開発に切り替えた。