競馬やボートレース(競艇)で得た収入を隠し所得税を脱税したとして、東京国税局査察部が所得税法違反の疑いでサッカーJ3の「アスルクラロ沼津」運営会社の谷強元代表取締役(57)=東京都渋谷区=と、別会社の徳中棟梁役員(71)=新宿区=を東京地検に告発したことが11日、関係者への取材で分かった。

 告発容疑は2020〜21年、競馬や競艇で収入を得たのに、谷氏は約3億1千万円を隠し、所得税約1億3600万円を脱税した疑い。徳中氏は約3億200万円を申告せず、約1億2600万円を脱税した疑い。

 登記情報などによると、谷氏は22年に運営会社の代表に就任。また、ユニホームスポンサーの不動産会社の代表取締役だった。査察部は昨年3月に調査に着手し、谷氏は同4月に運営会社の代表を辞任。チームの監督は、元日本代表の中山雅史さんが務めている。

 運営会社は「責任を全うできていないとの本人の判断で辞任した。本件は谷氏個人の問題で、クラブとしてコメントを控える」とした。