和歌山市の不正支出問題を公益通報した男性職員=当時(28)=が2020年に自殺したのは市の対応に問題があったためだとして遺族が12日、市に約8800万円の損害賠償を求め和歌山地裁に提訴した。市が安全配慮義務を怠ったと主張している。
訴状などによると、原告は市職員だった岩橋良浩さんの両親。岩橋さんは18年5月に不正支出があった部署に異動し、書類捏造を求められたことで心身に不調が生じ休職、同8月に公益通報した。市は当時の担当者ら十数人を処分。岩橋さんは別の部署に復職したが、処分を受けた職員が同部屋に配属されるなどし、20年6月に自殺した。