愛知県犬山市の農業用ため池に航空自衛隊のT4練習機が墜落し、隊員2人が死亡した事故から14日で1カ月となった。ため池では自衛隊員による機体や油の回収作業が続く。空自は安全対策が終わった機体から飛行を再開することを12日に表明したが、不安を訴える近隣住民は少なくない。
航空幕僚監部によると、犬山市の「入鹿池」では14日も100人体制で活動に当たった。周辺には今も規制線が張られている。自衛隊に協力するため、周辺の貸しボート店は今も休業中。事故前、週末はブラックバス釣りでにぎわっていたといい、店主の男性(79)は「1日でも早く元の生活に戻りたい」と話す。
事故は5月14日に起きた。所属先の新田原基地(宮崎県)に向け、午後3時6分ごろに小牧基地(愛知県)を離陸。約1分後、右旋回中に高度が約1400メートルから急低下し、同8分ごろにレーダーから機影が消え、犬山市のため池に墜落した。
空自は、事故状況を基に関連し得る全ての要因を洗い出し、特別点検を実施した。