【ロンドン共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は16日、1月時点で中国が保有する核弾頭数が昨年同月から100発増え、推計600発になったと発表した。「世界のどの国よりも速いペースで備蓄を増やしている」と指摘し「危険な核軍拡競争に突入しつつある」との懸念を示した。世界の核弾頭総数(推計)は昨年から微減の1万2241発。
トランプ米政権は、来年2月に期限切れとなる米ロ間唯一の核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」について、中国の核増強を抑えられないとして更新に難色を示している。もし失効すれば米ロによる核管理体制が崩壊し、冷戦後の核軍縮の流れから逆行することになる。
SIPRIによると、中国は核の運搬手段である大陸間弾道ミサイル(ICBM)のサイロ(地下発射施設)約350カ所を新たに完成させたか、ほぼ完成させた。10年後には、米ロに匹敵するICBMを所有する可能性がある。
北朝鮮は昨年と同じ約50発で、最大40発分を追加で製造可能な核分裂性物質を保有すると見込んだ。