来年イタリアで開催される第61回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展で、日本館に出品する前衛芸術家の荒川ナッシュ医さん(47)が16日までに、東京都内で記者会見し、自身の子育てを題材にした作品を通し、「どのような未来をつくっていくのかを見せたい」と意気込みを語った。
福島県出身で米国を拠点に活動する荒川ナッシュさんはさまざまな美術家との共作や、観客を巻き込む参加型のパフォーマンスで知られる。今回は同性パートナーとの双子の子育てを題材にした作品を制作。「自分と日本との関係や、移民の歴史、アイデンティティーの問題と向き合いながら、子どもにどう関わっていくのか考えたい」と語った。
日本館を主催する国際交流基金は、香港のテキスタイル・ヘリテージミュージアム館長の高橋瑞木さんと、シンガポール国立美術館のシニアキュレーターの堀川理沙さんが共同で、企画を担うキュレーターを務めることも発表。2人を指名した荒川ナッシュさんは「3人は補完関係にある。一緒に制作することでアジアの現代を学びたい」と期待した。