【カナナスキス共同】カナダ西部カナナスキスで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は17日、2日間の日程を終えて閉幕した。ロシアによるウクライナ侵攻への対応で米国との溝が残り、包括的な首脳宣言や首脳声明(コミュニケ)は見送った。ロイター通信によると、米国がロシア非難の強い文言に反対し、ウクライナ情勢に関する声明も出せなかった。

 日本外務省によると、首脳文書の見送りはロシアがG8から外れて現在のG7になった2014年以降で初めて。

 人工知能(AI)技術や重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強化、山火事への対応など課題別に計六つの共同声明や行動計画をまとめた。16日は中東情勢を巡る共同声明を発表した。

 議長国カナダのカーニー首相は首脳文書の代わりに議長総括として、G7首脳がトランプ米大統領によるウクライナ和平仲介の努力を支持し、対ロシア圧力の最大化を検討する決意があるとした。首脳らが北朝鮮の核・ミサイル開発への懸念を表明し、拉致問題の解決の必要性も議題に上ったと言及した。