農林水産省は27日、無関税のミニマムアクセス(最低輸入量)で輸入するコメの初回入札を実施した。計3万トンで、このうち9割に当たる2万7千トンが主食用。調達と入札を例年より3カ月前倒しし、9月下旬に事業者に引き渡す。政府備蓄米に加え、輸入米も早期に市場に放出することでコメの不足感を解消し、高騰する価格の引き下げにつなげる狙いだ。
小泉進次郎農相は閣議後の記者会見で「高騰を抑え、消費者のコメ離れを防ぐことが重要だ」と述べた。
国はミニマムアクセスで年約77万トンを受け入れており、主食用は最大10万トン。「売買同時入札(SBS)」という方法で輸入業者と実際にコメを使用する業者を決定し、米国やタイ、オーストラリアなどから輸入している。
これまで毎年9月以降に複数回の入札を実施してきた。本年度は初回だけでなく、その後の入札日程も早める方針だ。
ミニマムアクセス米の残る67万トンは飼料用や加工用に限定した「一般枠」として輸入している。備蓄米の在庫減少を踏まえ、この枠も例年より前倒しで輸入する。