ミョウガの葉で巻かれた「みょうがぼち」=20日午前11時、本巣郡北方町高屋白木、菓匠とよだや

 岐阜県本巣郡北方町を中心に伝わる郷土菓子「みょうがぼち」の生産が、町内の和菓子店で最盛期を迎えている。この季節ならではの味わいを求め、20日も来店客が列を成していた。

 みょうがぼちは、ソラマメのあんを小麦粉の生地でくるみ、ミョウガの葉で巻いて蒸したもの。葉が茂り出す初夏から作られ始め、かつては農作業の合間に食べるおやつとして親しまれてきたという。

 同町高屋白木の「菓匠とよだや」では、従業員らが手際よく作業に当たり、蒸したてのみょうがぼちからは湯気とともにミョウガの爽やかな香りが立ち上っていた。

 3代目店主の豊田喜美治さん(56)は「古里を思い出すような素朴な味わいを楽しんでほしい」と話す。生産は9月下旬までを見込み、ミョウガの葉が無くなり次第終了する。