1974年11月20日、静岡市の草薙球場で開かれた巨人の監督・川上哲治さん(左)の退任セレモニーで、王貞治さん(手前)とともに花束を贈る長嶋茂雄さん

 長嶋茂雄さんの「現役最終戦」は、静岡市駿河区の草薙球場で行われた―。後楽園球場での涙の引退試合から約1カ月後。「背番号3」は1974年11月20日、米大リーグ・メッツを相手に巨人の4番・三塁でスタメン出場し、4打数2安打1打点を記録した。長嶋さんが今月3日に亡くなってから、往時をしのぶファンが球場を訪れており、注目を集めそうだ。

 関係者や当時の報道によると、試合には観衆約3万人が詰めかけた。監督の川上哲治さん(故人)は、長嶋さんに加え、1番・中堅柴田勲さん、3番・一塁王貞治さんら「V9」メンバーをそろえて一戦に臨んだ。

 日米親善野球で来日したメッツのスタメンには、ジョー・トーリさんが名を連ねた。トーリさんは、長嶋さんの指導を受けて球界屈指の強打者となった松井秀喜さんがヤンキースへ移籍した際の監督として知られる。

 長嶋さんは一回裏の第1打席、ライナー性の左翼線二塁打を放った。第3打席には三遊間を抜ける左前打で、チーム3点目をたたき出した。