6月22日。三重県桑名市、津田学園グラウンド。復活を遂げた岐阜第一のエース水野匠登は、桑山晄太朗との岐阜・三重ナンバーワン左腕対決に挑んだ。互いに一歩もひけをとらない圧巻の投手戦。水野は5回4安打無失点で順調な復帰をアピールした。水野がマウンドに立てなかった3カ月間は、水野のワンマンチームに大きな変化をもたらした。岐阜県一の打力と、2番手以降の成長。そこに待望のエース復活。田所孝二監督が就任して10年目の今夏は、あと一歩で聖地を逃し続けてきた田所岐阜第一の最強世代が満を持して迎える〝最後の夏〟だ。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
◆1年から活躍の岐阜県一左腕の水野が復帰、最高潮の夏に照準
水野はじめ多くが1年から主力の岐阜第一最強世代。一昨年の夏は準々決勝で優勝校の大垣日大に4―5の惜敗。秋は県で頂点に立ったが、東海は水野が故障で1球も投げられず、初戦の準々決勝で豊川(愛知)に大敗。
2年になった昨年は春3位、夏は優勝した岐阜城北に準決勝で4―7で屈した。最上学年となった昨秋。県3位だったが、東海では2試合連続コールドで準決勝に進出。悲願の選抜切符まであと1勝に迫りながら、大垣日大に一時、5点のリードを奪いながら6―7の逆転負け。わずか1点に泣いた。
〝最後の夏〟に向けた3月初旬のシーズン幕開け。エースはプロのスカウトが見守る練習試合で、快投をみせ、順風満帆だった。ところが、ひじに痛みを覚えて、そこから登板を回避し、投球練習すらできなかった。
原因について水野は「投げ方に問題があったと思う。ひねりが大きすぎて腕が遅れる分、ひじに負担がかかった」と自己分析する。

投球練習を開始したのが、春の県大会後の4月末。感覚を取り戻すことはもちろん、フォームの修正にも取り組んだ。
体のひねり過ぎを見直すと、最速は140キロを超え、142キロにアップ。さらに足をゆっくり上げて、ためをつくるようにしたことでコースに球がいくようになり、...