20日夜に参院本会議場に向かう大野泰正氏。進退に関する問い掛けにも無言を貫いた=国会

 7月3日公示、20日投開票が有力視される参院選で、改選期を迎える無所属現職の大野泰正氏(66)=岐阜選挙区、当選2回=が21日、立候補しないことを自身のホームページや交流サイト(SNS)で明らかにした。自民党派閥裏金事件を巡って昨年1月に離党し「無所属になってから80%位のパフォーマンスになってしまい、改善できないまま議席をお預かりすることはあってはならない事」と不出馬の理由をつづった。

 投稿で大野氏は「岐阜県内にはまだまだやり遂げなくてはならない事が山積し、どんなかたちでもお手伝い出来れば」とした一方で、裏金事件に関する自らの主張や弁解などについては一切記さなかった。

 大野氏は自民党旧安倍派(清和政策研究会)から2018年以降の5年間に計約5100万円の還流を受けたのに収支報告書に記載しなかったとされ、昨年1月に東京地検特捜部が政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で在宅起訴、自民党を離党した。今年5月12日には自身のホームページやSNSで初公判が9月になったことを明かしたが、夏の参院選に出馬するかどうかは明言していなかった。

 岐阜選挙区(改選数1)では、これまでに与野党の新人5人が立候補を表明している。