万博会場周辺の下水で感染症調査をする作業員ら=1月、大阪市(大阪健康安全基盤研究所提供)

 国内外から多数の人が訪れる大阪・関西万博を巡り、大阪健康安全基盤研究所(大安研)が会場周辺の下水に含まれる病原体を調べ、感染拡大を予測する実証研究を始めたことが29日、分かった。万博会場などで体調不良で受診した患者の情報と合わせて解析することで、発生状況の早期探知や国内で流行するリスクがどれほどあるのか把握することが狙い。

 万博では半年の期間中、約350万人の訪日客を含む約2820万人の来場を見込んでいる。

 対象となる感染症は、はしかや中東呼吸器症候群(MERS)など約20種類。万博会場がある人工島・夢洲の周辺などの排水を週に1回採取し、ウイルスや細菌の遺伝子が含まれるかを調べる。