仙台市で開かれた「グリーフ・フェス」で講演する僧侶の高橋悦堂さん=29日午後

 身近な人を失ったときに直面する悲嘆(グリーフ)について考えるイベント「グリーフ・フェス」が29日、仙台市で開かれ、東日本大震災や病気などで家族を亡くした遺族の支援者が心のケアや供養の重要性を訴えた。

 東北臨床宗教師会事務局長で僧侶の高橋悦堂さん(宮城県栗原市)が、震災で宗教者が果たした役割を説明。火葬できずに運ばれてきた子どもの遺体を涙ながらに供養した経験を語り「遺族の父親から『やっと安心した』と言われ、読経の意味を感じた」と振り返った。

 仙台市で海洋散骨などに携わるNPO法人「うみとそら」の清田晴紀代表理事は「後悔なく(死者を)送り出せた実感がグリーフの軽減につながる」と語った。