自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、東京第5検察審査会は29日までに、東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で不起訴とした萩生田光一衆院議員=東京24区=の政策秘書について「国民の目を欺こうとした」として、起訴相当と議決した。10日付。裏金事件を巡り、検審が起訴相当を議決したことが明らかになるのは初めて。

 検察が再捜査で再び不起訴としても、検審が2度目の起訴相当を議決すれば強制起訴される。

 自民などによると、萩生田氏側による政治資金収支報告書への不記載額は5年間で計約2700万円。

 議決では、秘書は旧安倍派からの寄付金の受領や、プール分からの支出を関連政治団体の会計責任者に報告せず、虚偽の収支報告書を作成させたと指摘。派閥との間で長期間継続されてきた組織的常習犯罪で「違法性を十分認識しながら萩生田氏に相談せず、国民の目を欺こうとした到底許されない悪質なものだ」とした。

 また、支出に関する領収書について、秘書がある程度たまった段階で処分していた点にも言及し「証拠隠滅行為も看過できない」とした。