保育士や幼稚園教諭を養成する札幌市の「札幌こども専門学校」に勤めていた男性教員が、重要な内部資料を持ち出し報道機関に流出させたとの理由で懲戒解雇されたのは不当として、地位保全や賃金支払いを求める仮処分を30日、札幌地裁に申し立てた。代理人弁護士によると、7月に正式に提訴する予定という。
運営する学校法人三幸学園(東京)は取材に「個人情報が含まれるためコメントは差し控える」としている。
男性によると、2020年度以降、幼稚園教諭の試験に「学習の手引」の持ち込みを許可し、手引に書かれているのと同じ問題が出題され、模範解答を書き写せる状態だった。「学習意欲をそぐ」と感じ学内で改善を求めるなどしたが状況は大きく変わらず、報道機関に内部告発した結果、今年5月、解雇を告げられたという。
姉妹校の小田原短大(神奈川県)の通信教育課程でも、同免許の試験で模範解答の書き写しができる状態だったことが判明している。
男性側は申立書で「内部告発には真実性や公益性が認められ、解雇は懲戒権の乱用に当たる」と訴えた。