「動物の殺処分ゼロ」を目指して長年活動している音楽家の大木トオルさん(75)が、戦禍で暮らすウクライナの子どもたちに命の大切さを伝える絵本「チロリ」を贈ることを計画。ウクライナ語版を自費制作し、6月30日夜に200冊を成田空港から現地に向け送った。
大木さんは1970年代に米国に渡りブルース歌手として活躍。一方で動物愛護活動に50年近く取り組み、セラピードッグ(治療犬)の育成に尽力してきた。
絵本はA4判で38ページ。殺される寸前の捨て犬チロリが大木さんに助けられ、日本初のセラピードッグとして多くの高齢者や入院患者らを元気づけた―という実話に基づく物語が、優しいタッチの絵でつづられている。
大木さんは「チロリは『命あるものは皆、幸せになる権利がある』と教えてくれた。全てのウクライナの子どもたちが幸せになってほしい」と話している。
活動を支援する募金は三井住友銀行銀座支店、普通口座8321937、一般財団法人国際セラピードッグ協会で受け付けている。