【ダラムサラ共同】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(89)は2日、声明を発表し後継問題への考えを示す見通しだ。チベット仏教では、後継者はダライ・ラマ死去後に生まれ変わりを探す「輪廻転生」制度で選ばれる伝統があり、踏襲するかどうかが焦点となる。
ダライ・ラマが6日に90歳になるのに合わせ、チベット亡命政府が拠点を置くインド北部ダラムサラに高僧らが集まり、2〜4日に会議を開催。亡命政府のペンパ・ツェリン首相は声明公表後に記者会見する。
中国はダライ・ラマについて、独立を図る「分裂主義者」と批判しており、声明に反発するとみられる。ダライ・ラマは3月に出版した著書の中で、自身の後継者は中国国外で生まれるだろうとの見解を示している。
ダライ・ラマは中国人民解放軍の進駐に反発するチベット人僧侶らの抵抗運動が起きた1959年のチベット動乱を機に亡命。89年にノーベル平和賞を受賞した。中国は後継者の決定権を主張しており、独自に15世を擁立するとみられている。