新型コロナウイルス禍の2021年に病気で亡くなった人の遺族の6割超が「思うように面会できなかった」と感じているとの調査結果を、国立がん研究センターが3日、公表した。人生の最終段階にあった患者と家族に与えた新型コロナの影響が浮き彫りになった。がんでは面会制限を避けて自宅療養を選んだ割合が他の疾患より高く、望んだ場所で過ごせたとの声も多かった。
調査を担当した同センターの中沢葉宇子指標モニタリング評価研究室長は記者会見で「新型コロナで面会制限による影響があった一方、療養期間が長いがんでは結果的に『最期は自宅で』という希望をかなえられた患者が増えた」と話した。
調査はがんや心疾患など主要な10疾患で亡くなった20歳以上の患者の遺族を対象に24年に郵送で実施。
「入院・入所していたが、面会制限があり、思うように面会できなかった」と答えた人は、アルツハイマー病が最多の82%。最少は心疾患の61%で、がんは66%だった。面会制限を避け自宅療養を選んだのは、がんが11%、それ以外の疾患は2〜5%。