静岡県熱海市の大規模土石流から4年となり、追悼式で黙とうする鈴木康友知事(右から3人目)、斉藤栄市長(同4人目)ら=3日午前、熱海市

 災害関連死を含む28人が犠牲になった静岡県熱海市の大規模土石流発生から4年となった3日、市は被災地の同市伊豆山地区で追悼式を開き、参列した遺族ら55人が黙とうし、献花した。斉藤栄市長は「災害の経験や教訓を後世に継承し、一日も早い復興に努める」と述べ、鈴木康友知事は「穏やかな日常が戻るよう生活再建に努める」と呼びかけた。

 土石流は、2007年ごろから起点の土地で違法に造成された盛り土が一因とされる。21年7月3日、大雨で崩落し、住宅街に流れ込んだ。

 式では、28人の氏名が読み上げられた。遺影を持って参列する遺族もおり、祭壇に花を手向け、涙を拭った。

 原則立ち入り禁止とされた旧警戒区域(23年解除)では、避難した132世帯227人のうち、帰還したのは約2割の26世帯54人(6月20日時点)。21世帯43人が避難生活を続けている。

 県警は遺族からの告訴を受け、業務上過失致死容疑などで現旧土地所有者を捜査中。一部の遺族は、適切な対応をしなかったとして斉藤氏も告訴している。