僧侶と対面するダライ・ラマ14世(左)=5日、インド・ダラムサラ(公式ユーチューブチャンネルから、共同)
 亡命先のインドで長寿を祈る儀式に臨むダライ・ラマ14世=5日、ダラムサラ(ロイター=共同)

 【ニューデリー共同】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が6日に90歳になるのを前に、亡命先のインド北部ダラムサラで5日、長寿を祈る儀式が執り行われた。ダライ・ラマが演説し「130歳以上まで生きたいと願っている」と語った。

 2日の高僧会議で、自身の死去後に生まれ変わりを探す「輪廻転生」の伝統制度で後継者を選ぶと表明したばかり。後継者の決定権を主張する中国は反発し、対立が深まっている。ダライ・ラマは「チベット人も含め地球上の全ての存在は苦しみではなく幸福を望んでいる」とも話した。

 小豆色とオレンジ色のけさをまとったダライ・ラマは寺院内に座り、次々と訪れる僧侶らに対面した。近年は足腰が弱くなり、寺院を立ち去る際には両手を支えられながら歩いた。亡命政府によると健康状態は良好で、日頃は法話を積極的に実施している。

 演説では「国を失ったが、生きとし生けるものに恩恵を与えることができた。今後も奉仕するつもりだ」と語った。

 誕生日前からダラムサラには多くの信者らが集まりホテルはほぼ満室状態という。