訪問看護中に患者らから受けたカスタマーハラスメント(カスハラ)の有無などについて、業界団体が訪問看護ステーションなどを調査した結果、回答を寄せた2628事業所のうち6割超が「ある」と答えたことが6日、分かった。威圧的な言動によるハラスメントが多かったが、全体の17・2%(452事業所)は実際に患者らから暴力を受けたと回答。専門家は「被害が潜在化している可能性があり、氷山の一角ではないか」と対策の必要性を訴えている。
大阪市西成区で4月、訪問看護中の20代女性が患者に切り付けられた事件があったことを受け、「日本訪問看護財団」(東京)などが調査を実施。4月中旬、全国にある1万2265の事業所などに質問を送り、2628事業所から回答を得た。
調査結果によると、64・2%に当たる1687事業所が「職員から、過去に患者やその家族からカスハラを受けたとの報告があった」とした。「なし」は941事業所だった。
具体的な内容を複数回答で尋ねると、怒鳴るなどの「威圧的な言動」が最多の1439事業所だった。