【瑞山共同】長崎県対馬市の観音寺は6日、韓国から5月に返還された県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」の3Dデータを、像の「故郷」を自任する韓国中部瑞山市の浮石寺などに提供した。像は14世紀に朝鮮半島で作られたとの記録があり、観音寺の田中節孝前住職が「韓国の信徒のために」と提供を決断。浮石寺を訪れ、データを記録したUSBメモリーを手渡した。
仏像は2012年に観音寺から盗まれた後、浮石寺が「元々は倭寇の略奪品だ」と所有権を主張。韓国最高裁で観音寺の所有権を認める判決が確定し返還されたが、浮石寺はレプリカ作製などのための3Dデータ化を求めていた。