19、31日の土用の丑の日を前にウナギ商戦が熱気を帯びてきた。大手のスーパーや外食は、コメ価格の高騰など物価高を意識し、値頃感を重視した商品を取りそろえる。今年は稚魚のシラスウナギが豊漁で、今後の相場下落が見込まれていることも背景にある。
イオンリテールは、2〜3人で分けられる大きさのかば焼きを過去最多の11万尾用意した。「トップバリュ グリーンアイナチュラル 鹿児島県産うなぎ蒲焼」の超特大サイズ(250グラム)は税抜きで3580円。消費者の節約志向の強まりを受け、販売が伸びると判断した。
水産庁によると、今年のシラスウナギの1キロ当たり平均価格は130万円と前年のほぼ半値で推移している。養殖に1年程度かかるため「ウナギを安く食べられる可能性があるのは来年ではないか」(担当者)という。
輸入ウナギの動向は不透明だ。欧州連合(EU)は6月、資源量の減少を理由にニホンウナギの貿易を規制するよう提案した。11〜12月のワシントン条約締約国会議で採択されれば輸入が制限され、価格が高騰するリスクがある。