2025年大阪・関西万博:イタリア・モリーゼ州が
イタリアパビリオンの主役に

 
*開幕式でモリーゼ州を特集するウイークが始まる

【大阪2025年7月8日ANSA=共同通信JBN】2025年大阪・関西万博のイタリアパビリオンで開幕式が行われ、モリーゼ(Molise)州を特集するウイーク(1週間)が始まりました。

このイベントには、モリーゼ州副知事兼経済開発審議官のAndrea Di Lucente氏、2025年大阪・関西万博のイタリア政府代表(Commissioner General)であるマリオ・バッターニ(Mario Vattani)氏、Regional Council(モリーゼ州議会)議長であるQuintino Vincenzo Pallante氏、州議会議員のAngelo Primiani氏が出席しました。

モリーゼ州は、7日間にわたって開催される一連のイベント、パネル、パフォーマンスの主役になり、開催国に敬意を表すことを目的とした展示プロジェクトを通じて、州の豊かな伝統を日本に紹介します。

そのため、展示エリアの中央部には、日本のトリスケリオン(三脚巴紋)からインスピレーションを得た椅子が展示されています。三脚巴紋は、家紋や会社のロゴ、特に円の中に3つのらせんが渦巻く三つ巴のシンボルでよく見られるデザイン要素です。

Di Lucente氏は、モリーゼ州はバレ・ダオスタ(Valle d’Aosta)州に次いで、イタリアの「最小の州」だと述べました。

しかし、同氏は「私たちは最初から、ここに来ることは私たちの地域、私たちの企業、私たちの伝統を宣伝するための重要な機会だと確信していました」と言及しました。

モリーゼ州副知事は、世界に向けて開くことは「新たなエネルギー、資本、起業プロジェクトを誘致すること」が狙いであると指摘し、「地理的には遠く離れているものの、驚くほど似ているモリーゼ州と日本の間に文化的な架け橋を築く」ために「献身と情熱」が注がれたことを強調しました。

パビリオン内の展示コーナーでは、モリーゼ州の手工芸製品が紹介されます。これは、過去との強いつながり、そして今日進化し現代化が進むこの州の文化的アイデンティティーとの強いつながりを表す遺産です。

6つのコーナーで、バグパイプ、銅製品、レース細工の製作技術が展示されます。

また、イェルシ(Jelsi)の町とその小麦祭りの歴史、オラティーノ(Oratino)の伝統的な石工芸、フロゾローネ(Frosolone)の刃物なども展示されます。

このウイークは、西暦2世紀のヘレニズム時代の彫像のローマ時代の複製である「ベナフロのビーナス(Venus of Venafro)」の公開と、歴史あるマリネッリ(Marinelli)鋳造所で製作された鐘の披露で幕を開けました。この鐘は、日本のカトリック枢機卿であり大阪高松大司教であるThomas Aquino(トマス・アクィナス)前田万葉氏によって2023年8月15日から祝福がなされています。

しかし、モリーゼ州は芸術、文化、職人技を披露するためにだけ大阪に来るのではありません。
7月7日月曜日に開催される機関および企業家向けの会議「Investing in Molise(モリーゼ州への投資)」は、この地域を国際投資にとって魅力的な地域として紹介することに注力します。

7月8日には、セミナー「Metals in Dialogue:Molise’s and Japan’s Traditions between History and Innovation(対話する金属:歴史と革新の間のモリーゼ州と日本の伝統)」で、地元博物館のコレクションの一部である考古学的発見によって記録された、同州の古代冶金の伝統が紹介されます。

他にも多数のイベントが、同ウイークを通じて企画されています。

2025年大阪・関西万博のイタリア政府代表(Commissioner General)のバッターニ氏は、モリーゼ州はイタリアパビリオンの精神を「十分に理解している」とし、その理由は、パビリオンが州の「技術と大きな投資機会」にも焦点を当てる予定だからだと強調しました。

同氏は、大阪・関西万博で州を次々に紹介するという選択は「私たちの経済のこれほどの多様性と豊かさを披露する手法であり、このような国際的な舞台で紹介するには極めて重要です」と付け加えました。

モリーゼ州議会議長のQuintino Vincenzo Pallante氏は「小さいながらも重要な私たちの州と日本のような国民との間に存在するつながりは、重要で相互に有益な成果をもたらし得ると確信しています。なぜなら、共に道を切り開く可能性があるときには、互いに与え、互いに受け取ることが必要だからです」と述べました。

モリーゼ州を特集するウイークの開幕式には、日本に居住し活動するイタリア人テレビ司会者兼俳優のパンツェッタ・ジローラモ(Girolamo Panzetta)氏も出席しました。

イタリア・カンパニア州南部で生まれたパンツェッタ氏は、モリーゼ州の小さな町で約4年間暮らしました。

この経験で彼は「イタリアで2番目に小さい州」を知ることになりましたが、「州には、自然、海など、すべてがあり素晴らしい」と語りました。

パンツェッタ氏は「そこで暮らしたことで、人々、土地、文化を理解することができました」と締めくくりました。

 
ソース:General Commissioner’s Office of Italy for Expo 2025 Osaka