
◆旗振山
特に、大阪を起点にということになりますが、西日本の中核都市を結ぶライン上に「旗振山」または「相場振山」という名の山(いずれも200~400メートル級)が点在するのをご存じでしょうか。
江戸期、全国の年貢米の集散地であった大阪(大坂)堂島には米会所(米の取引所)があり、ここは世界レベルで先物取引の発祥の地として知られていますが、かつて堂島での相場つき(相場結果)はその日のうちに、というより、ものの数十分ほどで遠隔地の経済文化圏へ伝えられていたのだそうです。
当時、公認の情報伝達手段としては、「米飛脚」いうものがあったようですが、それよりも早く相場つき(相場結果)がわかれば、当然ですが俄然有利になるのは間違いありません。

利に聡い商人たちは、見通しのよい山の上で旗(夜間は松明)を振る「手旗信号拠点」を幾つも中継所として設けて、情報網を構築することで大きく利を稼いでいたのです。...