石破茂首相は10日のBSフジ番組で、トランプ米政権との関税交渉を巡り「なめられてたまるか」と述べた自身の発言に関し「米国依存からもっと自立するよう努力しなければならない、ということだ」と強調した。「『いっぱい頼っているのだから言うことを聞けよ』ということならば、侮ってもらっては困る」とも語った。
米側が不満を示す自動車の非関税障壁については「何が非関税障壁なのか、早急にきちんと答えを出していく」と説明。自動車産業は日本の基幹産業で関連する労働者が多く、簡単に妥協できないとの認識を示した。
一方、立憲民主党の野田佳彦代表は同じ番組で、関税交渉を巡る政府対応について「機能不全過ぎる。参院選で躍進した時は、内閣不信任決議案を秋のどこかの段階で出す可能性は十分ある」と表明した。「合意に近づいていない交渉なら失敗だ。国難突破のために首脳外交をやるべきだ」と要求した。
首相は9日、千葉県船橋市での演説で「国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか。たとえ同盟国であっても正々堂々言わなければならない。守るべきものは守る」と訴えた。