9日、ロンドンの大英博物館を訪問したスターマー英首相(左から2人目)とマクロン仏大統領(同3人目)ら(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】英国を国賓訪問中のフランスのマクロン大統領とスターマー英首相は10日、ロンドンの英首相公邸で会談した。両国の主要閣僚も出席。ロシアのウクライナ侵攻と欧州軽視のトランプ米政権発足で軍事的な脅威が高まる中、スターマー氏は会談後の共同記者会見で、核兵器の抑止力に関し、英仏が連携を強化することで合意したと明らかにした。

 合意文書は、英仏それぞれの核抑止力は独立しているが、連携は可能で、欧州に対する「極度の脅威」には両国が共同で対応するとしている。スターマー氏は会見で「欧州、世界にとって歴史的な合意だ」と強調した。

 英仏が共同開発した巡航ミサイル「ストームシャドー」を追加発注し、次世代型の開発に取り組むことでも合意した。英国はストームシャドーをウクライナに積極供与してきた。

 会談後の共同宣言ではウクライナへの持続的な支援を約束。パレスチナ自治区ガザの人道危機に対処し、即時停戦とイスラム組織ハマスが拘束する全ての人質の解放に取り組むと強調した。