【ワシントン共同】米紙ニューヨーク・タイムズは10日、米国とイスラエルによる6月のイラン核施設攻撃後も、地下で貯蔵されていた一部の高濃縮ウランが残存しているとイスラエルが結論づけたと報じた。兵器級に近い濃縮度で、核技術者らが「アクセス可能な状態」という。イスラエル高官の話としている。
トランプ米政権は、核施設が完全に破壊され、濃縮ウランが事前に運び出された形跡もないと主張してきたが、食い違う見解。国防総省高官は10日、大型の特殊貫通弾(バンカーバスター)を使った地下核施設に対する攻撃の詳細な評価は「継続中で最終的な結論は出ていない」と述べた。
同紙によると、イスラエル高官は濃縮度60%のウランの一部が残存しているという評価に懸念を示さなかった。イラン側が回収を試みれば、察知して施設を改めて攻撃できるとした。
6月の攻撃については、イスラエルの情報機関が昨年後半、イランが核兵器開発に向け本格的に動き出したとの兆候をつかみ、ネタニヤフ首相は米国の支援の有無にかかわらず、イランへの軍事作戦に踏み切る準備を始めたという。