北海道と青森県で計230人の死者・行方不明者を出した1993年の北海道南西沖地震から12日で32年となり、津波により甚大な被害が出た北海道・奥尻島で犠牲者の慰霊行事が開かれた。

 午後6時ごろ、島南部の初松前地区にある慰霊碑には遺族らが集い、祭壇に手を合わせた。アルバイト従業員阿部節子さん(78)の夫は漁師で、船を上げようと浜に行き、波にさらわれた。「悲しくて仕事も手に付かなかった。ちょうどアワビ漁の季節だった」と懐かしそうに海を見つめた。午後7時ごろには青苗地区でも祭壇が設けられ、焼香と灯籠流しが行われた。

 11日には奥尻町立青苗小で、地震と津波を想定した避難訓練が行われた。