献花のため観光船の沈没現場付近に到着した乗客家族らを乗せた船。左奥はカシュニの滝=13日午前、北海道斜里町沖
 観光船の沈没現場付近の海上で献花をする乗客家族ら=13日午前、北海道斜里町沖

 北海道・知床半島沖で2022年4月、乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった観光船沈没事故で、乗客家族ら約40人が13日、現場海域で洋上慰霊を実施した。関係者によると、家族がまとまって洋上慰霊するのは初めて。

 午前5時半ごろ、家族や僧侶のほか、行方不明者の捜索を続けてきたボランティアが乗ったチャーター船が斜里町のウトロ漁港を出発した。遺骨などが多数見つかった知床岬付近に上陸して祈りをささげた後、沈没現場となった名所カシュニの滝付近の海上で献花した。

 乗客家族の一人は帰港後、「ようやく魂を連れて帰ることができた」と声を詰まらせながら話した。