東大病院に向かわれる上皇さま=14日午後3時29分、東京都文京区
 上皇さま

 右心不全と無症候性心筋虚血の治療を続ける上皇さま(91)は14日、新たな投薬治療を始めるため、東大病院(東京都文京区)に入院された。宮内庁によると、症状の改善が見られず、心臓への負荷を和らげる必要があると判断した。上皇さまに胸痛などの自覚症状はなく、普段通り過ごしているという。

 投薬に当たり、心電図などで心臓の状態を確認しながら、投与量を調整することが望ましいため、入院を決めた。副作用への対応も考慮した。上皇さまは14日午後、上皇后美智子さまに付き添われ、車で病院に入った。

 上皇さまは5月に東大病院に検査入院し、無症候性心筋虚血と診断された。一定程度以上の運動負荷がかかることで心筋への血流が不十分になる症状で、薬物治療を受けて経過観察を続けてきた。2022年は、右心房と右心室の間にある血液の逆流を防ぐための弁が十分に閉じない「三尖弁閉鎖不全」による右心不全と診断された。薬の服用や水分の摂取制限など内科的治療をしていた。