首相官邸に入る中谷防衛相=15日午前
 2025年版防衛白書のポイント

 中谷元・防衛相は15日の閣議で2025年版防衛白書を報告した。中国軍機や海軍空母による日本周辺での活動が拡大しているとして「わが国の安全に深刻な影響を及ぼし得る状況で、強く懸念する」と表明。北朝鮮が最新鋭技術である極超音速兵器を開発していると分析。複数種類の弾頭が確認されているとして「射程や飛翔の態様が異なる兵器を開発し、相手の対応を複雑化させることを企図している可能性がある」と指摘した。

 中国軍に関し、24年8月の情報収集機による長崎県男女群島沖の領空侵犯や同9月の空母による日本領海近くでの航行などが相次いだと記載した。海警局との連携を強化し、武力攻撃には至らない範囲で現状変更を試みる「グレーゾーン事態」の作戦能力向上を図っていると警戒。台湾統一に向けても海警局の役割を重視している可能性に触れた。

 運用可能な核弾頭の保有数は24年時点で600発を超えており、30年までに千発を超え、35年まで増加し続ける可能性に言及した。