オーストラリアのアルバニージー首相(左)と握手する中国の習近平国家主席=15日、北京の人民大会堂(新華社=共同)

 【北京共同】中国の習近平国家主席とオーストラリアのアルバニージー首相は15日、北京で会談した。両国政府が発表した。トランプ米政権が各国に関税圧力を加える中、両首脳は貿易促進など経済協力の拡大に意欲を示した。関係強化を米関税政策が後押しした。太平洋進出を強める中国はオーストラリアと米国の同盟関係にくさびを打つ狙いがある。

 会談冒頭で習氏は悪化していた両国関係が改善し「両国民に利益をもたらしている」と述べ、さらなる関係発展を訴えた。アジア太平洋で貿易や投資の自由化を進めて平和と繁栄をもたらすとし、両国企業のため良好なビジネス環境を整えると強調した。

 アルバニージー氏は首相として2度目の訪中となる。発効から10年を迎えた両国の自由貿易協定(FTA)の成果を歓迎し「今後も自由貿易を強く支持する」として、対中貿易拡大に前向きな姿勢を示した。

 アルバニージー氏は記者団に、会談は「建設的だった」と評価した。中国軍がオーストラリア近海で実施した実弾演習の事前通知が不十分だったとして懸念を表明した。