【北京、ニューデリー共同】トランプ米政権が、ロシアが停戦に応じなければロシア産原油を購入した第三国に「2次制裁」を科すと警告し、購入停止を迫った。念頭に置くのは中国とインド。両国はロシアと緊密な関係を保ち、米国の「威嚇」に従い購入を控える展開は考えにくい。米側の出方を注視しつつ、対抗措置を練るとみられる。

 中国の習近平国家主席は5月にロシアの対ドイツ戦勝80年記念日に合わせてモスクワを訪問し、プーチン大統領との会談で両国の結束を確認。中ロは予測不能なトランプ米政権への対応で「共闘」する姿勢を鮮明にしている。

 中国はウクライナ情勢を巡っては中立を強調し、対ロ制裁には反対の立場だ。ロシアによるウクライナ侵攻後も「正常な貿易」(中国外務省)は続けるとし、ロシアから原油や天然ガスの輸入を拡大させ、戦費調達を事実上支援してきた。

 中国税関総署によると、2024年には約625億ドル(約9兆228億円)の原油を輸入、侵攻前の21年から54%増えた。24年の中ロ貿易総額は過去最高の約2448億ドルに達した。