ビデオメッセージで核兵器反対を訴える被団協の和田征子事務局次長=16日(ノーベル賞受賞者らによる会合の中継から・共同)

 【ワシントン共同】米西部ニューメキシコ州で人類初の核実験が実施されてから80年となった16日、ノーベル賞受賞者らが会合を開き「新たな核軍拡競争の幕開けを迎えている。核戦争の阻止に向け、世界の指導者は明確で継続した努力をしなければならない」と呼びかける宣言を取りまとめた。

 2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の和田征子事務局次長はビデオメッセージで「核兵器を保有することで他国を脅す核抑止力で人類を救うことはできない」と強調した。

 宣言を取りまとめたのは、宇宙の加速膨張を発見し11年にノーベル物理学賞を受賞したオーストラリア国立大のブライアン・シュミット教授ら。04年に物理学賞を受賞したカリフォルニア大サンタバーバラ校のデービッド・グロス教授は「私たちと未来の世代が生存の危機にひんしている。世界の指導者は警告に耳を傾けるべきだ」と訴えた。

 米国は1945年7月16日、初の核実験を実施。8月6日に広島県、9日に長崎県にそれぞれ核爆弾を投下した。