世界経済フォーラムでアジア地域を統括するギム・フエイ・ネオ常務取締役は17日までに、共同通信の取材に「再生可能エネルギーは最も安価で、安全なエネルギー源だ」と述べ、化石燃料からの脱却が急務だと強調した。フォーラムは各国首脳や政財界人が集うダボス会議を開催。日本には「アジアの経済成長を支える原動力になってほしい」と期待感を示した。
フォーラムは今年春、経済発展が著しいアジアを統括する役職を新たに設け、ネオ氏が就任した。6月に中国天津市で開かれた「夏季ダボス会議」の会場で取材に応じた。
ネオ氏は、今年も世界各地で猛暑や干ばつ、水不足が懸念されると指摘。各国政府と企業が協力して脱炭素化を進めることが「人、地球、ビジネスにとって気候危機からの勝利につながる」と訴えた。特にアジアは「経済成長や若年層の多さなどを原動力にして、世界の脱炭素化をリードできる」と力説した。
原発については電力需要の高まりやエネルギーの多様化に貢献できるが、「リスクを十分に認識し、慎重な検討が不可欠だ」とした。