新聞配達員がヒグマに襲われて死亡した北海道福島町で、大相撲九重部屋の夏合宿や恒例の夏祭りなど7〜8月の行事が中止、延期されることが17日、分かった。配達員を襲撃したヒグマがまだ駆除されておらず、事故後も複数個体とみられる出没が相次いでいるため、町などは安全を確保できないと判断した。
千代の山、千代の富士の2横綱を輩出した町では、8月5〜16日に九重部屋の夏合宿が予定されていたが、鳴海清春町長は中止になったと説明。ヒグマへの対応で「町の人的な力がかなり割かれている。やむを得ない」と語った。
合宿は例年、町内の「横綱千代の山・千代の富士記念館」で実施している。力士の朝稽古が一般公開され、町内外から1万人以上の大相撲ファンが訪れていた。
襲撃現場に近い福島商業高は7月19、20日の文化祭を延期した。生徒が暗くなる前に下校する必要があり、放課後の文化祭準備ができなくなったためという。町を踊り歩くパレードも予定されていたが、生徒の一人は「人が亡くなったのにそんなことはできない」と顔を曇らせた。