広島と長崎の両方で被爆した「二重被爆者」の遺族らが17日、これまで差別や偏見で体験を語る人が少なかったとして、原爆投下80年となるのに合わせ、被害の実相を調べ語り継ぐ団体を設立した。2010年に93歳で死去した二重被爆者山口彊さんの長女で、代表を務める山崎年子さん(77)は長崎市での記者会見で「体験を世界の隅々まで伝えたい」と述べた。
団体名は「二重被爆 遺族友の会」。山崎さんが「話してくれる人が出てきてくれれば」と、他の遺族らと団体設立を発案した。体験を伝えるほか、二重被爆者本人や遺族らを捜す活動も進める。