全国軟式4連覇するチームづくり、甲子園で勝つためには―。県内指導者のレベルアップを目的にした岐阜県高野連恒例の「甲子園・全国大会報告会」が12日、岐阜市内のホテルで開かれ、全国軟式野球選手権史上初の4連覇を達成した中京の平中亮太監督と、県勢6年ぶりの夏の全国選手権ベスト4に導いた県岐阜商の藤井潤作監督が講演した。全国大会で培った勝つための秘訣やノウハウ、情報を各年の出場校の指導者に直接聞くために岐阜県野球協議会の後藤寿彦理事長の発案で2006年に始まった強化策で、コロナ禍による中断年はあったが、同協議会後援で毎年行われている。今年は硬式軟式いずれも目覚ましい実績があったが、ともにどん底からのスタートだっただけに得難い貴重な話が満載で、集まった指導者らが食い入るように耳を傾けた。指導・助言は同協議会の広瀬寛理事。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

 【中京・平中亮太監督】

 ◆どん底からのスタート 足りないピースを埋め、最後の最後まで成長し続ける

 前人未踏の全国4連覇への道は、非常に苦しいスタートだった。前年の全国3連覇を受けた新チームは、秋の県大会は決勝十回タイブレークの末、6連覇を果たしたが、東海では準決勝で静岡商に0―3の完封負け。春の県大会は決勝で恵那に4―5でサヨナラ負けを喫した。「4連覇という次元ではなく、全国大会すら出場できないんじゃないかと言われる苦境に陥っていた」と振り返る。しかし「自分は現在地を知ることができたし、選手たちは春負けたことでやるしかないという覚悟ができた」と前向きにとらえた。...