日本タクシー(岐阜市鶴田町)は、5月からタクシー車内の乗客向けのデジタルサイネージ(電子看板)を導入する。約50台の左後部座席の前にタブレット端末を設置し、地元企業の動画広告を流す。コロナ禍で落ち込んだタクシーや観光バス需要を収益の多角化で補いたい考えで、初年度の売り上げ目標を600万円に据える。

 コロナ禍により、タクシー車内のデジタルサイネージ市場は、大都市圏を中心に進んでいる。電車のように不特定多数が同乗する公共交通機関での移動を避ける傾向があるほか、一定の乗車時間も見込めるため、広告の訴求効果の高さが注目されているという。

 タブレット端末は10・1インチワイドの画面。岐阜市を拠点に走るタクシーに設置する。広告主を地元企業10社に限定し、月10万円(税別)で募集しており、各社が製作した30秒の動画広告を流す。日本タクシーの平均乗車時間は13分間で、1乗車当たり2・6回の視聴機会が見込める。利用客の目的地になる施設のほか、企業間取引(BtoB)を主体とする企業など幅広い業種を対象にしている。

 今後はインバウンドなどの動向を見極めながら、自動翻訳アプリなどの機能付加も検討する。山田健太郎社長は「もし広告枠が埋まらなければ、地域貢献の動画も流せる。当社の新たな強みにしたい」と述べた。