帝京大可児のエース富田櫂成がまたもV候補を撃破―。中京2年・鈴木悠悟との注目の投手戦を制し、真の岐阜県ナンバーワン投手であることを証明した。第107回全国高校野球選手権岐阜大会第10日は27日、ぎふしん長良川球場で準決勝を行い、帝京大可児が中京を3―2、県岐阜商が関商工を5―0で下した。県岐阜商と関商工は、初回の攻防が明暗を分けた。

◆さえる自慢のストレート、変化球も生きる 富田がV候補を3連破
選抜出場校の大垣日大を3回戦で1―0の完封、準々決勝では田所孝二監督10年目の最強世代の第1シード岐阜第一を8―7の1点差で逃げ切り。準決勝では同じく第1シードの中京に3―2。3戦連続でV候補に1点差勝利、その右腕で抑え込んだ帝京大可児のエース富田櫂成。連日の快投の要因は自らが「大会前はここまで通用すると思わなかった」と語るストレートだった。
「まっすぐで押し切る」。切れのいいストレートで、低めの内外角のコーナーを突くことで、大垣日大、岐阜第一を撃破した富田。中京打線に対しても強気の投球で立ち向かった。
激戦の岐阜第一戦から中2日空いたものの今大会3試合で395球を投げている富田。「正直、体力的にきつかった」と振り返りながらも、初回から全開。打率5割のリードオフマン中嶋悠輝、2番の主将井之脇陸斗を内野ゴロで打ち取ると、打でもキーマンの3番鈴木に142キロのストレートを連発した後、自慢の136キロの高速スライダーで空振り三振。
その後も「インコース、アウトコースとも思った通りの強い球を投げ込めた」とストレートがさえわたり、スライダー、緩いカーブなど変化球の効力を倍加させ、走者を許しながらも...