大阪府能勢町のごみ焼却施設でダイオキシンが検出され、ダイオキシンを含む廃棄物の処分先が決まらず長期間仮置きされていた問題で、同府能勢、豊能両町でつくる豊能郡環境施設組合は29日、豊能町で最終処分施設の本体工事に着手した。検出から約30年をかけ、ようやく処理に向け動き出した。
ダイオキシンを巡っては、1997年に組合が運営する豊能郡美化センターの焼却炉から基準値を超える値を検出。焼却炉は解体されたが、組合が2016年、残った廃棄物を無断で神戸市内に埋め立てていたことが判明した。その後は豊能町内で仮置きしている。
組合によると、処分施設は鉄筋コンクリート製で、仮置きをしている旧保育所近くに建設。幅約24m、奥行き約7m、深さ約6mで、地下に廃棄物を埋める。内外を防水・遮水シートで覆い、搬入後に地表部分をアスファルトで舗装する。
廃棄物管理に詳しい福岡大の樋口壮太郎名誉教授は「コンクリートの厚さや、水が入らないよう内側までシートで覆う点など、基準は十分満たしている」と指摘する。