自動車用ミラーの部品を製造するための金型を下請け業者に無償で保管させたことなどが下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請など)に当たるとして、公正取引委員会は29日、自動車用ミラー製造販売会社「美里工業」(群馬県藤岡市)に保管費用支払いや再発防止を求めて勧告した。
公取委によると、同社は2023年9月以降、部品製造を委託していた14社の倉庫などに金型や工具計約2千個を無償で保管させた。また、部品の納品時に品質検査をしていないのに、欠陥を理由として10社に計約260万円分を不当に返品した。
公取委の調査に美里工業は「保管料を支払わなくてはいけないと認識していたが、予算が限られており捻出できなかった」と説明した。勧告を受け「違反行為が二度と発生しないよう、コンプライアンスのいっそうの強化と再発防止に努める」とコメントした。