北海道泊村の北海道電力泊原発(手前から)3号機、2号機、1号機=4月

 原子力規制委員会は30日の定例会合で、北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)の安全対策が新規制基準に適合しているとする「審査書」を議論する。了承されれば12年の審査期間を経て正式合格となる。北海道電は2027年3月ごろまでに防潮堤などの工事を終えた後、早期に再稼働を目指すとしている。

 合格すれば11原発18基目で、21年9月の中国電力島根原発2号機(松江市)以来となる。

 規制委は今年4月に審査書の案を了承し、一般からの意見公募や経済産業相らへの意見聴取を実施していた。

 泊3号機は09年12月に運転を始めた国内最新の原発。北海道電は13年7月の新規制基準施行当日に審査を申請したが、敷地内での活断層の有無を巡り議論が長期化。活断層はないとの結論が出たが、防潮堤は液状化による沈下の恐れを指摘され、造り直している。

 北海道電によると、電源車や緊急時対策所の整備を含む3号機の安全対策工事費は約5150億円。さらにテロ対策施設などの建設費として約1120億円を見込む。

 泊1、2号機は審査が続いており、合格の見通しは立っていない。