記者会見する吉田圭秀統合幕僚長=29日午後、防衛省

 8月1日付で退任する防衛省制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長が29日、最後の記者会見に臨み、世界全体で安全保障環境が厳しくなる中「多国間の協力関係は、国際秩序の維持において極めて大切だ」と強調した。約2年4カ月の任期の成果として、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部の発足を挙げた。

 吉田氏は国際情勢について「米中の戦略的競争が非常に厳しくなり、日本への相対的期待値が上がっている」と分析。国際政治が流動化する中、自衛隊と他国軍の防衛協力が多国間関係をつなぎ留める「いかり」として機能しているなどと述べた。